どうしてプロに無償で仕事依頼しちゃダメなのか - 原価のある、時間

2014年07月11日 15:40


随分と以前の話ですが、ある他社のヘルパー派遣の事業所から苦情がありました。
「以前から、あるお客様のお宅で、介護保険では賄えないサービスを要求され、我々が断ったり、高額にはなるが正当なサービス料金を請求すると、お客様から、嫌な顔をされたり、値切られたりして困っている。それは御社が、我々の間尺に合わなかったお客様の頼みごとを何でも無料で引き受けるからです。これは立派な営業妨害だと思います。即刻現場に注意喚起をお願いします。」という内容でした。

私は、プロである以上、無償のサービスはあり得ないと考えています。
すぐに、改めるよう指導しました。
自従業員からすれば、その行為は、会社が善性であるというイメージづけを促進し、長い目で見て仕事の受注率をを向上させると主張していますが、私はそうは思いません。
それについて上手く説明している文章があったので、少し書き換えて引用します。


どうしてプロに無償で仕事依頼しちゃダメなのか - 原価のある、時間

大阪市天王寺区役所が、広報デザインを募集したが、内容は、「デザイナーの名前を宣伝するから制作報酬は無償にしてほしい」という条件だったため、募集の撤回署名活動が行われています。

このように、プロに無償で仕事を頼む人達は、"手に職系"の人達が"技術"をお金に変えて生活しているということを理解できていないのだと思います。
別の言い方をするなら「物質にしか金銭価値はない」と思っていると言えます。

"技術" を無理やり“モノ”に置き換えて例えると、
八百屋さんに「このリンゴ、タダでちょうだい」とか、「今日の買い物分、全部タダにして」と言っているようなものです。
文頭の天王寺区役所の場合だと、さらに「ここの店はタダでくれるよー!って宣伝してあげるね」という感じでしょうか。企業にとっては迷惑この上ない広告です。

"技術料"というのは目に見えないので、"気持ち"に換算されがちなんでしょう。
“気持ち”に対しては“お金”ではなく同じように“気持ち”で返すことが日本的な礼儀とかしきたりらしいですが、実際に“技術料“を換算する時に、比較的的を得て意味が近いものは"時間"です。
多くの人が"時間"を売って生活しています。しばしば、サービス残業について労働者が声を上げるのは自分の時間を不当に会社が摂取しているからでしょう。
そんな中で、会社に拘束されている状態で自分の時間をお客様に勝手に分け与える事は会社に対しての背任行為だというしかありません。そんな中で、お客様から、「時間をタダにしろ」と言われることがどれほどおかしなことかわかるかと思います。
さらに、"手に職系"技術者は一般的な雇用と異なり、時間+αによってその職業が成り立っています。この+αこそが、その人ならではの"技術"、つまりいただく金額の差につながるものであります。
"技術"を習得し、業界で生き続けるための修練には膨大な時間とお金がかかっています。
制作実費や光熱費などの経費以外にも、技術を発揮させる道具(プロ仕様は高額でケアも大変なものが多い)や、それを支える体力、勉強なんかも原価と言えると思います。
つまり、プロの技術は"原価のある、時間"でもあるわけです。
今回、弊社が好意でとはいえお客様に行った無償サービスは、プロの"技術"をタダにさせるという、その人がその業界で生きていくのに大事なものを軽んじる行為なだけでなく、業界全体にまで影響を及ぼしかねないことなんです。
無償や低価格でも引き受ける人がいることが広まったら、業界内での買い叩きも起こりかねません(もうすでに始まっているかもしれません)。
だから、あくまで「親しい間柄」で「特別な場合」に「好意」でする場合を除いて、プロの技術者は無償で仕事することを好まないのです。
またプロだからって、否。プロだからこそ、「ちゃちゃっとテキトーに」なんてできないんです。プロとしてのプライドなどもありますが、いい加減なものが自分の仕事として広まるのは、その"技術"が売り物だけに避けたいのです。だから好意の無償仕事であっても、殆どの方が有償の仕事と変わらない仕事をしていると思います。
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